私たちが賛同しています

Atuyさん(呼びかけ人)

 

Atuyというアイヌ語の名前を持つ者です。日本名は豊岡征則と申します。わたしも、白糠という漁村のある町でアイヌとして生まれ、気がついた時にはわたしのまわりにはアイヌのおじいちゃん、おばあちゃんたちがいて、そういう雰囲気の中で、なにかAtuyという人間は作り上げられたのかな、と今でも先祖をはじめ、わたしをここまで育ててくれたエカシ、フチたちに感謝をしているきょうこのごろです。

さて、このたびの一件、まさに畠山さんのとった行動は、やむにやまれない、民族としての魂ある行動だと、わたくしは考えております。畠山さんとも個人的なつながりがあって、どうしたら国連の定めた先住民の権利宣言に基づいて、アイヌがアイヌらしく生きられる環境、社会を作り上げるにはどうしたらいいかと、つねひごろ語り合ってきたという歴史的な側面もあります。

 

今回の畠山さんの行動を心から支援する者の一人として、でも漠然と、ただ行動してもだめだな、と。ご承知の通り、日本という国は民主主義の国ですから、政府がなかなかわたしたちアイヌ民族の思いを聞き入れる懐の深さがなければ、わたくしは、主権者である日本国民の良心に、心静かに問うていくことが重要かな、と。日本国民の心が動けば政府も動くだろうという(気持ちが)わたしにはあります。

 

きっと政府には政府、道は道なりの、まあ組織ですから、組織には組織の論理があって、それぞれのいろいろ……、人道的に考えたらいかがなものかと、規制するのはいかがなものかと思っている、決してわたくしは、官僚も道職員もいないわけではないと信じております。そういった意味で、今回の運動は、どっちが正しい、どっちが悪いという視点ではなくて、勝ち負けの視点ではなくて、良い北海道をつくるために、良い日本をつくるために、結果として異文化理解・多文化理解、異民族尊重の思想・哲学が、やはりこの日本列島に構築されるということが重要だろうと思っております。そのためにはこのシャケをきっかけにして、息の長い視点で日本国民に心静かに語りかけていく。つまり良心に語りかけていく。そうすれば、未来は決して暗くはない。わたしは明るいと信じています。

 

ここにメディアの方もいらっしゃるわけですが、メディアの果たす役割はとても大事です。わたくしは、正直申しあげまして、メディアにいる人たちはあんまり好きじゃないんです。常にアイヌ民族のことを記事にする時は、すべてではありませんけれど、のぞき見趣味、こぼれ話、事件性、なにか興味本位的な側面で、自分たちの本質の問題として捉えて記事を書く諸君は意外と少ないように感じております。ある意味で第四権力と申しましょうか、メディアの人たちの魂のあり方次第で、日本の国は良くなると考えております。ここにいらっしゃるみなさん方とともに、メディアのみなさんがたとともに、広く日本国民に問いかけていければありがたいと思っております。ありがとうございました。

 

(2020年3月27日、札幌での記者会見)


鹿田川見さん(呼びかけ人)

 

みなさんは、もし明日から、お米を食べてはいけませんとか、パンを食べてはいけませんとか言われたら、どうなさいますか? アイヌはそんなふうにある日突然、法律っていう名のもとで、シャケの漁を禁止されたり、これまでしてきたシカの猟とか、禁止されてしまいました。それってどうなんでしょうか? 人として同等に扱われてきたんでしょうか? まったく同等として扱われてこなかったことに、わたしたちはいま、怒っている。畠山さんがされたことは、ほんとうに格好いいことで、これまでだれもやってこなかったことを畠山さんはやってくれました。わたしもそれに賛同しました。

 

シャケはカムイチェㇷ゚と言われています。それは「神様の魚」という意味でもありますが、シャケは遡上するので、川上にすむクマたちやキツネたちや小動物たちや、そういうものに恵みを与えるためのカムイチェㇷ゚なんだと、わたしは思っています。だから、人間だけが食べるものではなくて、恵みを与えるものなんです。それを畠山さんが体で、行動で示してくれたんだと思います。畠山さんを尊敬しています。そして、畠山さんの奥さんからお電話をいただきまして、きょうは(記者発表の会場に)来れないけれども、みなさんによろしくお願いしますとおっしゃっていました。以上です。

 

(2020年3月27日、札幌での記者会見)


木村二三夫さん(呼びかけ人)

 

ちょっと準備ができていないんですけど、俺の怒りだけを表現してみたいと思っています。このあいだの「道新」の記事に、特別採捕が緩和されたと、こういう馬鹿げた記事が載っていましたけども。市町村の職員の管理のもと(サケ捕獲を)やるっちゅう、馬鹿げた話ですよね。相変わらず日本人は詭弁、ごまかしのうまい人種だなって。すごく怒りが込み上がってきました。さきほど豊岡さんもメディアの人のことを言っていましたけども、どうか、加害者はだれで、被害者はだれであるのかちゅうことをしっかりと肝に銘じて記事を書いてもらい、テレビなんかでも伝えてもらいたいなと思います。怒りの表現でした。ありがとうございます。

 

(2020年3月27日、札幌での記者会見)


石井ポンペさん(呼びかけ人)

 

イランカラプテ。わたしたちは明治2年以降ですね、アイヌ不在のもとで作られた法律によって、いま現在も、ホッチャレ一本捕っても逮捕されると、そういう事態であります。わたしたちはもともと先祖代々、ホッチャレ、川にのぼった魚を捕り、カムイノミをし、そして生活をしてきました。わたしたちには自決権も先住権もまだありません。ぜひともこの機会に多くのマスコミのみなさん、ご協力して、自決権、先住権をわたしは求めたいと、こう思っております。ありがとうございます。

 

(2020年3月27日、札幌での記者会見)


署名呼びかけ団体

アイヌ(=ひと)の権利をめざす会

(共同代表 貝澤耕一・萱野志朗・田澤守・OKI・宇梶静江)

 

<呼びかけ賛同人>

アト゚イ 安藤厚(北海道大学名誉教授) 飯島秀明 五十嵐健治(紋別アイヌ協会) 石井ポンぺ(原住・アイヌ民族の権利を取り戻すウコチャランケの会) 伊藤悳夫(北海道AALA連帯委員会理事長)井上紘一(北海道大学名誉教授) 岩﨑裕保(団体役員) 上村英明(市民外交センター共同代表・恵泉女学園大学教員) 梅澤悦子(アイヌ協会斜里支部) 岡崎享恭 岡田朋子(北海道国際交流センター) 小川隆吉 上條直美(開発教育協会) 神谷弘道(静内アイヌ協会) 川村兼一(旭川アイヌ協議会) 川村久恵(旭川アイヌ協議会) 木村二三夫 草鹿平三郎(紋別アイヌ協会) 草鹿靖子(紋別アイヌ協会) 葛野次雄(シャクシャイン顕彰会会長) 黒田敏彦 黒田秀之(さっぽろ自由学校「遊」会員) 小泉雅弘(さっぽろ自由学校「遊」) 河内美穂(東京在住 文筆業) 小松澄江(アイヌ協会厚岸支部) 小松豊(札幌郷土を掘る会) 斎藤亜季(地球・人間環境フォーラム) 坂本有希(地球・人間環境フォーラム) 佐藤和利 佐藤雅一 佐藤裕子(カトリック札幌教区正平協) ジェフ・ゲーマン 鹿田川見 島田あけみ 清水裕二 曺金時江(ハンマダン) 立石喜裕 田中治彦(上智大学グローバルコンサーン研究所) 田畑豊(札退教) 高月留美子(静内アイヌ協会) 妻木征男(アイヌ協会洞爺湖支部) ティーター・ジェニファー 殿平善彦(一乗寺住職) 豊村みどり(みらいのとびら) 中島圭子(モペッ・サンクチュアリ・ネットワーク) 七尾寿子 西原智昭(星槎大学) 畠山紀子 畠山勇志(紋別アイヌ協会) 畠山麻里(紋別アイヌ協会) 畠山雪江(紋別アイヌ協会) 花崎皋平(さっぽろ自由学校「遊」会員) 平田剛士 広瀬健一郎(鹿児島純心女子大学) 藤野知明 藤原寿和(廃棄物処分場問題全国ネットワーク共同代表) 本多淳 本多正也(先住民族研究会) 前田朗(東京造形大学教授) 牧口充枝(札幌圏連帯労組) 松澤聖子 松元保昭(パレスチナ連帯・札幌) 丸山博 三浦忠雄(日本キリスト教団北海教区アイヌ民族情報センター) 三柴ちさと(日本森林管理協議会) 水木彩也花 三輪敦子((一財)アジア・太平洋人権情報センター) 門別徳司 八木亜紀子(開発教育協会) 山丸和幸(一般社団法人白老アイヌ協会理事長) 結城幸司 湯本浩之(宇都宮大学/NPO法人開発教育協会) 吉井健一 吉田邦彦 吉田浩正 若月美緒子

 

<呼びかけ賛同団体>

アイヌ政策検討市民会議  アオテアロア・アイヌモシリ交流プログラム実行委員会

アジア太平洋資料センター(PARC)  APLA(Alternative People's Linkage in Asia)

 カトリック札幌地区正義と平和協議会

「環境と先住民」政策研究センター(Cemipos)  グループシサムをめざして札幌

原住・アイヌ民族の権利を取り戻すウコチャランケの会  札幌圏連帯労働組合

札幌市に人種差別撤廃条例をつくる市民会議  さっぽろ自由学校「遊」 静内アイヌ協会 市民外交センター  市民社会スペースNGOアクションネットワーク(NANCiS)

少数民族懇談会 日本キリスト教団北海教区アイヌ民族情報センター  熱帯林行動ネットワーク(JATAN) 不戦へのネットワーク 北海道NGOネットワーク協議会  紋別アイヌ協会 ラポロアイヌネイション(旧称・浦幌アイヌ協会)

 

(2020年9月5日現在、五十音順)